課題のスピードアップ
力学的に言えば、最初のエネルギーを大きくし、その損失を最小限にして投げるのが理想となります。実際のボウリングではどこに注視する必要があるでしょうか?
最初のエネルギーを大きくする
一番簡単なのは、構えの位置を高くすることです。エネルギーは高さに比例します。
次に、振り子運動の軌道に乗せるまでに押し出す力です。一般的には、構えの位置から押し出して軌道に乗せる「プッシュアウェイ」で、ほぼ押し出さない「プッシュダウン」のいずれかでしょう。上方向に押し出した方がエネルギーが大きくなるのは当然です。
エネルギーの損失
振り子の軌道に乗れば、腕は支えるだけで他に力を加えません。むしろ余計な力が入れば、エネルギーの損失になります。自身のフォームを見直してみると、知らずにエネルギーを喪失していることがあります。例えば、構える位置を上にしてみても、スピードが全然変わらない、という場合です。恐らく、バックスイングのどこかで力が入り、それがエネルギー喪失につながっているのです。
スピードが上がらない
初心者にとって、投球のラインを安定させることは上達への一つの近道です。フォームが大きいとブレも大きくなり、安定した投球をするには妨げとなります。このため、スピードを抑え、さらに、最初の頃はかなり下で構えるようにしました。
これによって、18kmくらいのスピードが14kmくらいに。投球の安定と共に、スピードが落ちることで曲がりも出るようになります。しっかり曲がるようになると、曲がりすぎてしまうことも悩みになり、それも合わせて、もう少しスピードを出せるようになったらいいかな、と。
それからは、多少上で構えるようになりますそれなのに、スピードは変わらない…ローダウン気味に投げることで回転半径が狭まったこともありますが、実際には、構えの位置が高くなることによってエネルギーが増えても、それを球速につなげられていないということに気付きました。
バックスイングの最高地点
プッシュアウェイまたはプッシュダウンで振り子運動に送られたボールは、何もなければ自然振り子の運動に沿って、背後の最高地点まで上がり、そこから往復してフォワードスイングにつながります。何も遮る要素がなければ、最高地点までに上がっていくわけですが…それが単純な話ではないのです。遮るつもりはなくとも、腕がそれ以上は上がらないところがあります。
これは、自然振り子が肩を支点としているためであり、普通には肩と水平のところまでしか腕があがりません。バックスイングの最高点を利用するためには、工夫を施していかないといけないということです。
改良への方針
腕を水平からさらに上げるためには、左肩を前に入れると可能になります。なので、バックスイングでボールが体の後方に行ったときに、上半身が開き、ボールが最高点へ自然に上がるようにします。オープンバックというのでしょうか?
そこから、フォワードスイングに入り、リリースまでのタイミングまでには上半身を元に戻し、リリースは同じ状態になることが理想です。
課題となる点
体を開くことで体の軸はぶれてはいけません。それによって、投球ラインがずれないようにもしなければいけません。さらに、リリース時のスピードが上がるということは、リリースのタイミングが早めになります。
3ゲーム程度の練習をしてみましたが、思った以上に一致点がありそうです。スピードとリリースがきちんとできると、いい感じのピンアクションを見ることができました。まだまだ練習は必要ですし、指の摩擦もかなり負担が大きくなっているようなの様子を見ながらですが…急がずにフォームを確立できたらと思います。